2020.03.31
太陽光、リーフ、V2Hの組み合わせで災害に備える 木下動物病院さま
#蓄電池利用 #導入企業インタビュー#関東
1979年の開業以来、神奈川県相模原市で地域に根差した安全で安心できる動物医療を提供している木下動物病院。代表の木下淳一獣医師は日産リーフ(ZE0)のオーナーさまです。
病院の増築に伴い太陽光発電システム、V2Hも導入されています。
日産リーフ(ZE0)とニチコン社製V2H
導入のきかっけやどのような使い方を想定しているのか伺いました。
蓄電池の導入を検討。ただしとても高かった。
1年前の病院増築を機にリーフとV2Hを導入されたそうですね。
「最初は蓄電池を調べてみたのですが、容量が小さいしその割にとても高かったです。それならば容量が大きく蓄電池にもなるEVで買った方がいいかなと。クルマの買い替えのタイミングでもありましたし、新しいモノへの興味もあったので」
停電時でもパソコン1台使えるだけで違う。
蓄電池の導入を考えた理由を教えてください。
「東日本大震災の時にこの辺りは計画停電がありました。その時は当然全部電気が使えません。当時既に病院の顧客管理システム、カルテはパソコンでの一括管理だったので、来院されてもパソコンが使えず対応に困りました。そういう時でもパソコン1台だけでも使えればいいのにと。仕事以外でもすごく寒かった記憶があります。クルマでエンジンをつけて寒さをしのいだということもあったので」
電気をためておけることは安心感につながる。
V2H導入後、実際に停電になったことはありますか?
「幸い実際停電になったことはないのですが、昨年(2019年)台風が来た時は停電に備えました。台風は事前に来るのがわかるので事前にリーフに電気をためておきました。もし停電になっても電気が使える体制にはなっていたので、一安心にはなりました」
動物の命を守るバックアップ電源
ワンちゃん、ネコちゃんの健康と命を預かる動物病院にリーフとV2Hがあるメリットは大きいですか?
「V2Hがあるのは病院隣の建物ですが、もし停電ということになれば延長コードを使って病院側でも使えるようになっています。先ほどもお話しましたがいまはカルテも顧客管理も、会計もぜんぶパソコンです。ノートパソコンなら数時間はバッテリーが持つかもしれませんが、病院で使っているようなデスクトップ型はそうはいきません。パソコンがひとつ動くだけでもだいぶ違います」
レントゲン写真もいまではパソコンで。これも電気がないと確認できない。
「あと冷蔵庫ですね。冷蔵庫に入れている薬が全部ダメになるのは困ります。冷蔵、冷凍しているものがたくさんあります」
病院内の冷蔵庫内。多種多様な薬が保管されていた。
冷凍庫にもたくさんの検査試薬が。
他にも病院内にはたくさんの電気機器がありますね。
「ICUや点滴の機械などは、止まってしまうと場合によってはワンちゃんやネコちゃんの命に関わることもあります。
その他手術していたとしたら心電図モニター。
あと、どこの病院にもあるものではありませんが、うちでは再生医療もやっているので細胞のインキュベーターもあります。そのあたりは最悪停電しても動かせるのではないかと思います」
ICU(集中治療室)
細胞インキュベーター(培養器)
太陽光発電との組み合わせで災害に備える
新しい建物では太陽光発電も導入。
普段は売電しているとのことですが、いざという時にはリーフに電気を蓄えることも可能です。
太陽光発電コントロールユニット
太陽光発電、リーフ(蓄電池)、V2Hシステムの組み合わせは、もし停電が続く場合でも電気を使える可能性を高めます。
「木下動物病院では、動物たちの命を守るバックアップ電源として、もしもの状況に備えています。
また、大前提として「極力電気を節約し、自然に身を任せて過ごす」ことを病院のポリシーとしています。動物、医療、科学、自然などを学んできた人間として、子を持つ親として、昨今の「異常気象」や「未来の地球環境」にはとても不安を感じます。「冷やしすぎ、温めすぎの空調」に慣れ過ぎることは、生物としての「適応力」を退化させ、健康を損なうことにつながります。
暑いときには汗をかき!寒いときには運動する!
生き物としての基本性能をペットも人間も最大限発揮できるようにサポートできる動物病院でありたいと考えています」
木下動物病院
神奈川県相模原市中央区田名
診療時間 9:00~12:00 15:00~19:00 水曜休診