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日産リーフから取り外された駆動用リチウムイオンバッテリー

2018.04.06

「日産リーフ」の再生バッテリーを使った有償交換プログラムを発表しました。

#充電・バッテリー #EV関連ニュース

日産自動車の浅井です。

先日2018年3月26日(月)、
「日産リーフ」の再生バッテリーを使った有償交換プログラムを発表
いたしました。

ここに至る仕組みをご紹介しようとしたら、すごく長くなってしまいましたが、ぜひお読みください。




基礎知識として、まず2つ。

基礎知識①

日産の電気自動車に搭載されている駆動用リチウムイオンバッテリーは
・バッテリーセル
・バッテリーモジュール
・バッテリーパック

という単位で構成されています。

バッテリーセル(2010年12月)
バッテリーセル(2010年12月当時の画像)
バッテリーセルというのがバッテリーの一番小さな構成単位で、食品のレトルトパックのような薄型ラミネート構造をしています。
当時、厚さを紹介する比較対象としてiPhone 3GSを使ったりしてました。時代を感じますねぇ。


バッテリーモジュール(2010年12月)
バッテリーモジュール(2010年12月当時の画像)
バッテリーセルをまとめたものが、缶詰みたいなカタチのバッテリーモジュール。初期型はセル4つでモジュールを構成していました(現在は8セルで1つのモジュール)。


日産リーフ バッテリーパック(2010年12月)
バッテリーパック(2010年12月当時の画像)
(バッテリーセルをまとめた)バッテリーモジュールを1台のクルマ用にまとめたものがバッテリーパック。1台に48モジュールが搭載されています。


基礎知識②

1トン以上も重量があるクルマを動かすために急速にパワーを出し、減速時には逆に電気を取戻し(回生し)、急速なスピードで充電する。
そのような使われ方をする電気自動車駆動用バッテリーは、一般的なリチウムイオンバッテリーよりも、高い性能を持っています。


数年間クルマ用として使われ、クルマ用としては性能が落ちたバッテリーも、他の用途であれば充分に使える性能を残しています。





それを踏まえて。





日産は、住友商事さんと合弁で、電気自動車で使ったバッテリーの再利用をするための会社をつくっていました。
それがフォーアールエナジー(4R ENERGY)株式会社

設立は日産リーフの発売2010年12月より早い2010年9月。


4Rとは

4Rエナジー取り組み概要

再利用(Reuse)
高い残存容量を持つバッテリーの二次利用を促進

再製品化(Refabricate)
バッテリーパックを分解した後、お客さまのニーズに合うよう再度パッケージング

再販売(Resell)
バッテリーを様々な用途のために再販売する

リサイクル(Recycle)
原材料を回収するために使用済みバッテリーのリサイクルを行う



ここまでは2010年に構想されていた内容。




時が経ち......




2018年

初代日産リーフ発売から7年が経ち、構想していたサイクルが回り始める時が訪れます。

駆動用として役目を終えたバッテリーが出てきはじめたのです。



浪江町に新工場

フォーアールエナジー社は使用済みEV用バッテリー再製品化専用工場を、福島県浪江町につくりました。

フォーアールエナジ―浪江工場
フォーアールエナジ―浪江工場
今後、全国各地から運びこまれたバッテリーがここに集められます。





浪江事業所でバッテリーを再製品化

フォーアールエナジ―浪江工場
全国各地から集まった使用済EV用バッテリー

バッテリーパックの内部は、先ほどご紹介したように48個のバッテリーモジュールが詰まっていますが、モジュールは、使用内容・使用環境などによって残存性能が異なります。

バッテリーパック全体の性能は、その中の性能が低いモジュールの性能に引っ張られるのだそうです。

まずは残存性能を測定・評価します。

フォーアールエナジ―浪江工場
残存性能を測定する部屋の様子(写真は開場式の時のものです)
技術開発による従来より大幅に短時間で測定・評価することができるようになりました。



測定・評価されたバッテリーモジュールは残存性能によって、大きく3つに分けられます。
 
性能がよいものから
(1)再度EVの駆動用バッテリーとして使われるもの
(2)フォークリフトやゴルフカートなどで使われるもの
(3)事業所・店舗・工場用などの定置型バックアップ電源として使われるもの

というように、目的を変えて再利用されます。


幾つかのバッテリーパックの中から性能の良いモジュールを集め、再度バッテリーパックとして組み直すことで、パック全体の性能を上げます(先ほど書いたように、バッテリーパック全体の性能は、性能の低いモジュールに引っ張られるので、クルマ用として性能の良いモジュールを集め再生電池を作り上げます)。


フォーアールエナジ―浪江工場
残存性能によって分類したバッテリーモジュールのうち、状態の良いものは再度バッテリーパックとして組み立てられます。


こうして品質が高く、低価格な再利用バッテリーが出来上がります。
ニュースリリース「日産リーフ」の再生バッテリーを使った有償交換プログラムを発表にあるように24kWhバッテリー用の交換再生バッテリーで30万円
24kWhの新品バッテリーは65万円なので、半額以下です。
※2019年11月に価格改定しております。価格は販売会社にお問い合わせください。


2番目に状態が良いモジュールを組みあわせて、普通車よりも高い性能が要求されないフォークリフトやゴルフカート用に再製品化します。


そして、最も残存性能が低いものでも、事業所、店舗、工場などの定置型のバックアップ電源として再製品化されます。



ご理解いただけたでしょうか?

EV駆動用として役目を終えたバッテリーは、ここ浪江工場に集められることで、再度生き返るのです。




初代リーフ発表当初からあたため、準備していたサイクルが、いよいよまわり始めました。






動画もあわせてご覧ください。

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